ブルースとは言葉で説明するとどんな音楽?
ブルースとは言葉で説明するとどんな音楽なのでしょう?
これは、「そんなの間違いだ」と誰にも言われないで済む定義でいうと、
・アフリカから連行された黒人奴隷が、アメリカに住み着いてから修得した西洋音楽+自分達の故郷のアフリカ的音階をまぜあわせて作った「アメリカ黒人音楽」
・基本的に3つの和音だけでできている
・曲の長さは、かならず12小節(4小節×3行の構成)
・・・という特徴があります。
ブルースの歌詞はたいてい、黒人の過酷な労働生活や、日常生活の中で起きる浮気やら失恋、といった、怒りや悲しみの心が題材になっています。
しかし、「でも、いつかいい日が来るさ」というはかない希望が最後の4小節で歌われる事が多いです。(楽譜的にもコード進行構成が、この部分で大きな変化が起きるようになっています)
20世紀になって、ジャズがさかんになる時代になると、ブルースはジャズの大きなモチーフのひとつとなりました。
しかし、ジャズはどんどん「白人音楽的な方向に進化」していきましたので、その後のジャズで演奏されるブルースは、12小節、という形式的な部分だけしか残らなくなってしまいました。
(なので、ほんとうのブルースファンの方からは、「ジャズのブルースは間違っている」と必ず怒られてしまいます^^;)
ジャズに進まないで残った方のブルースは?
ジャズに進まないで残った方のブルースは、1940年代にまた転機が訪れます。
R&B(リズム&ブルース)という新しい音楽が流行したからです。
最初のR&Bは、ねちっこい正統ブルースをジャズバンドが演奏したものでしたので、当時はごちゃまぜでした。
1950年代になると、R&Bから、ロックンロールとロカビリーが新しい音楽として生まれました。
こうなると、白人のほうが優勢になってきてしまいます。
こういった、「時代ごとの新しい音楽への貢献」をしないまま、正統派のブルースも残り続けました。
そういった「正統派」には、テキサスブルース、ウエストコーストブルース、イーストコーストブルース、シカゴブルース、デトロイトブルース、サザンブルース、ルイジアナブルース、ニューオリンズブルース、モダンブルース・・・といった細かい種類に分類されています。
こういった「本場のブルース」をたくさん知りたい場合には、「ブラックミュージックレビュー」という雑誌が出ていますので読んでみてください。
もうひとつのブルース「社交ダンスのブルース」
もうひとつのブルースは、「社交ダンスのブルース」です。
社交ダンスの「ブルース」とは、音楽形式は12小節のブルースでなくてもよいようです。
音楽的には「スイングジャズ」のテンポが少しゆっくりめのものを「ブルース」と呼んでいる様子です。
(もうちょっとテンポの早いものはフォックストロット)
さらに大事なもうひとつのブルースは、「歌謡曲ブルース」「和製ブルース」です。
昭和の歌謡曲で大切な分野でした。
淡谷のり子さんは「ブルースの女王」と称されて特に有名でした。
おねえキャラの美川憲一さんも「梁ヶ瀬ブルース」のヒットで有名です。
平成になってから安室ちゃんの「Sweet 19 Blues」が大ヒットしました。
でも、これらはまったく12小節のブルース形式ではありません。
日本人が心で酔いしれる「ブルースの心」があるからこれはれっきとしたブルース、なんだそうです。
こうなってくると、もう「ブルースとはどんな音楽でしょう?」という疑問にこたえる答は、きりがなくなってきちゃいますが、いろんな音楽に触れて「あなただけのブルース」を見つける音楽の旅路に出発してみてください♪